CDSの行方 2011 10 30
ホリコキャピタルマネジメントの堀古氏は、
MONEY JAPANのメールマガジンで、こう書いています。
「欧州債務問題、最悪の事態は回避したが・・・・・」
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を発動せずに、
50%の債務減免が本当に実現できるかということです。
ギリシャ国債のヘッジとしてCDSを保有していた銀行は、
ギリシャ国債で損失が出る一方、
CDSでそれが補填されないという状態が起こります。
また今後、特にソブリンに関しては、
「CDSはヘッジにならない」と認識されるようになれば、
銀行は信用リスクのヘッジ手段を失い、
ひいては債券売りや貸し渋りに繋がることになるでしょう。
次に、EFSF(安定化基金)は4〜5倍のレバレッジがかけられることになります。
これは短期的に十分と見えても、
一旦事態が悪化方向に向かい始めれば、
逆に4〜5倍のスピードで基金が枯渇していくことになります。
(以上、引用)
とりあえず、欧州債務問題は、沈静化に向かいますが、
いずれにせよ、将来、ユーロは破綻に向かう可能性があります。
みんなギリシャに注目していますが、
「はたしてドイツ経済がいつまで健全でいられるか」、
そういう声がささやかれるようになりました。
さて、CDSという仕組みは、リーマンショックの時に、目の敵にされました。
特に政治家からは、激しい非難を浴びたと思います。
確かに、CDSにはマイナスの面があります。
しかし、マイナスの面を強調しすぎて、プラスの面を忘れています。
ところで、「レバレッジ」は、リーマン・ブラザーズの得意技でしたね。
この言葉、久しぶりですね。
リーマンショックの時は、時代の流行語になりました。
「人類の叡智」と言われた欧州の迷走を見るのは、つらい。
日が暮れるのは早い。
日が暮れぬうちに金貨を見つけた者は夜が短い。